明日の恋を咲かせて

Chapter.1

明日の恋を咲かせてⅠ

1-4

「実はチェカ様、が」
「チェカぁ? 何でRSAにいるアイツの名前が出てくるんだよ。お前まさか、アイツと連絡取ってんのか」
「……………………」

 怪訝な顔で聞き返してきたレオナに、がこくりと頷く。先ほどよりもレオナの声が低くなった気がするのは、気のせいではないだろう。不快さを表すように、レオナの眉間には深い深い皺が刻まれてしまっている。

 レオナはチェカのことを嫌っているわけではない。以前話した際、本人もそう言っていた。しかしレオナから王位継承権を奪った相手としては、やはりわだかまりを完全になくすことはできないようである。レオナはあまり積極的にチェカと関わろうとはしていない。

 対してチェカはというと、叔父と甥という関係を差し置いてもレオナのことを大層慕っている様子だ。そのお陰で、チェカとが意気投合したようなものでもある。

 チェカのことを極力避けようとするレオナと、レオナと少しでも多く一緒に過ごしたいと望むチェカ。二人の仲は、なかなかに一方通行な関係であった。

 そしてそんなチェカは数ヶ月ほど前、の生まれ故郷でもある賢者の島に在する名門校――ロイヤルソードアカデミー――RSAに入学した。RSAは寮制度となっている。そのため、チェカは夕焼けの草原から離れた島国で生活しているのだ。

 一国の王太子が長期間国を離れるということで、国民総出でチェカの入学と新たな旅立ちを祝うべく盛大な式典が開かれたのは記憶に新しい。そしてその式典には、もレオナのパートナーとして参列した。

 まだが夕焼けの草原へやって来てから日も浅い頃のことであり、もちろん、レオナとも今のような関係ではなかった時期の話だ。

 女っ気の無い第二王子にも親しい女性がいる、ということを国民たちへ知らしめる。そして第二王子――ひいては王族の未来に不安を覚える者たちに少しでも前向きな感情を抱いてもらうため、という名目でに与えられた仮の役目だった。

 チェカとが初めて顔を合わせたのは、式典のとき。といっても言葉を交わす機会は無く、式典の間はただ互いの存在を認識するだけに留まった。

 しかし後日、チェカはレオナに会うべく離宮へとやってきた。人目を忍び中庭に隠れたチェカと、中庭を職場とするが鉢合わせるのは、必然とも呼ぶべきできごとだった。初めて会話をしたとき、チェカはがレオナと『特別な関係』にあると思っているようだった。

 はチェカの誤解を解くべく自身がレオナのパートナーとして選ばれた経緯についても説明した。一度は納得してくれたチェカだったが、やはりいまだに何かを期待しているように見受けられる。チェカはがレオナのことを追いかけ夕焼けの草原までやってきたことも知っていたので、そのこともチェカの勘違いを助長させてしまったのだろう。

 ……レオナとは結果的にチェカの思うとおりの関係になったのだが、当時はあくまで雇用主と使用人の関係でしかなかった。つまり、嘘は吐いていない。月日が流れ、その間に変わったことを伝えていないだけである。

 これはレオナだけではなく誰にも話していないことだが、たまに離宮に忍び込んでくるチェカとは何度か接する機会があり、少しずつ親睦を深めていた。何せチェカはの知らないレオナのことを知っていて、はチェカが知り得ない普段のレオナのことを知っているのだ。互いに話題には事欠かなかった。言葉を交わすたび、会話も大いに盛り上がる。

 そして、チェカが賢者の島へと旅立つ前日のことだ。

 彼は突然の元へやってきたかと思えば「連絡先を交換してほしい」と頼んできた。王宮から遠く離れた異国の地で何年も過ごすのは初めてらしく、王太子という立場上毅然と振る舞ってはいるもののやはり不安もあるらしい。

『おじさんの様子とか、色々話してほしいんだ』

 それなりに親しくなった相手から寂しそうに微笑みながら頼まれてしまっては、叶えてあげたくなってしまうのが人情というものである。

 しかも、だ。チェカはとても整った容姿をしている。『綺麗』という表現が似合うレオナとは傾向が違い『可愛い』という表現の方が似合う目鼻立ち。各パーツがバランス良く配置されたチェカの顔は、少年期特有の未成熟さと庇護欲を誘ってくる愛くるしさを備えている。を始めとして、見る者に母性を抱かせる類のイケメンである。

「それで交換したわけか……お前、面食いだよな」
「あぅ……否定はしないわ……で、でもどのみち王太子様から頼まれて、私が断れるわけないじゃない……」

 じゃっかん言い訳めいてしまったが、いくらレオナと恋仲であるといったところではあくまで離宮――王宮に仕える使用人の一人であることに変わりはない。ましてやレオナとの関係を知る者も限られている状況では、チェカの望みに反するような言動をすればの首が飛ぶだけでなく、レオナにだって迷惑をかけてしまう可能性だってある。

 もちろん、チェカ自身の性格から言えばがチェカの頼みを断ったところで罰するようなことはしないはずだ。しかし国のお偉方の耳に入れば、そうも言っていられなくなるだろう。つまり、チェカから連絡先の交換を求められた際、実質的にには選択権がなかった。

 とはいえ立場の差を忘れさせるほどに気さくなチェカとのやり取りは、同年代の知人が少ないとしてはとても楽しい時間であることも事実だ。

 チェカとが話す内容はチェカの学園生活についてだったり、の日常でのできごとだったり。その他はほとんどが、レオナについての話題である。そんなやり取りの中で、直接言葉にはされなくともチェカからはレオナとの関係について色々と確認したがっている空気を感じている。

「やっぱりレオナさんとの仲、気になるみたいなの……」
「はぁぁ……また面倒な相手に気に入られたなお前……」

 レオナが眉を顰めたまま、盛大なため息を吐いた。

「あっ! う、浮気じゃないわよ!?」
「それは聞かなくてもわかる」

 冷静に返されたことで、妙に焦ってしまったことに恥ずかしくなったは顔を赤く染めて俯かせる。

 そんなを呆れた顔で見下ろし「アイツには俺から言っておく」との頭を撫でたレオナは、ふと思い出したように口を開いた。

「そういや、妖精の奴らはどうした。今日は見かけねーな」
「あ、あぁ、あの子たちなら――」

 がきょろりと辺りを見回す。

 は他人の気配については平均的にしか感じ取れないが、妖精となると話は別だ。特に、この離宮にいる二人の妖精はと契約を結んでいる。

 一人はが夕焼けの草原へ来る前から仮契約を結んでいた妖精で、数ヶ月ほど前に本契約へと至った。

 もう一人はこの離宮で出会った妖精である。後者の妖精とはひと悶着あり、結果的に『縛り』として契約することになった関係ではあるのだが――それでも良好な関係を築けていると思っている。

 と妖精たちは互いの魔力が繋がっていることもあり、基本的には居場所や気配を辿ることができる。それを利用して、遠く離れたところから妖精をその場へ召喚することも可能ではある。

 しかしそれを行うためにはかなりの魔力を消費してしまうし、そもそも妖精たちが自由に行動することを許されているのは離宮の中庭の中だけだ。が連れ添っていれば中庭の外へ出ることは許可されているものの、それ故にと妖精たちが遠く離れて過ごすことは無い。結局、自ら足を運んで呼びに行く方が一番楽で手っ取り早いのである。

「いつものところにいるわ」
「いつものところ?」
「それがね、最近二人ともとても仲良くなったの。いつも一緒に過ごしてるんだけど、ふふ」
「何だよ」
「レオナさん、まだ時間ある? 来て来て!」
「服を引っ張るな、伸びる」

 出会ったばかりの頃はどこかよそよそしかった二人の妖精たちも、毎日ほとんどの時間をともにしていたお陰かかなり親密になってきているようだった。

 いつもが頼んだ仕事を終えるや否や、どちらもすぐにもう一方の妖精の元へと飛んで戻っていってしまうくらいである。これから先長い付き合いになるであろうことを考えると、仲が良いに超したことはない。

 妖精たちは普段、一緒にいるときは何か楽しそうに二人で話していたり、ともに昼寝をしたりして過ごしている。いとけない子どもの姿に似た妖精が二人仲良く並んで気持ちよさそうに眠る姿は、とても可愛らしい。日によって眠る体勢も違ったりするのがまた楽しくて、は妖精たちの昼寝の様子をこっそりと写真に収めている。その数は、の携帯端末の保存フォルダにちょっとしたコレクションができ上がっているほどである。

 あくびをしながらの後ろについて歩くレオナをときおり振り返りながら、は妖精の寝ている様子を頭の中で思い描く。レオナもきっと妖精たちの可愛らしい姿を見たら心癒やされるだろうと、自然と頬が弛んだ。

 妖精たちのお気に入りの『いつものところ』は、温室からさほど離れていないところにある。少し歩いたところに佇む大きな木の上を、が弾んだ声で指差した。

「ほら、あの木の上にいるわ。あそこがね、二人の秘密基地なの!」
「秘密基地だァ? ……あの鳥の巣みたいなやつか?」
「巣じゃなくて、秘密基地!」

 確かに、小枝や葉を集めて作られたそれは外側から見ると鳥の巣と思えなくもない。しかし内側は、が妖精たちに贈った花柄のハンカチが敷いてあったり、や妖精たちが一緒になって厳選した花を飾ったりと、可愛らしく、かつ寝心地も好いように考えて作られているものなのだ。

 レオナの言葉を訂正しながら、が木の幹に立てかけてある梯子に足をかける。この梯子はが中庭で作業するにあたり、ハンスから貸し与えられた離宮の備品である。

 背の高い木の世話をするために必要だろうと用意してくれたのだが、は自分の手の届かないところの作業は魔法や妖精たちに任せたりして済ませてしまうことが多い。

 しかしせっかく貸してもらったものを使わないのももったいないと、もっぱらが妖精たちの秘密基地の中を観察するために利用していた。梯子はかなり年季が入っており、が体重をかけるたびにギシギシと軋むが、今のところ問題無く使えているのであまり気にしていない。

 明らかに普段から盗み見しているとわかるの様子に、レオナの「全然秘密じゃねーじゃねぇか」という呆れたような声が聞こえてくる。は聞こえなかった振りをした。

「おい、落ちるなよ」
「そんなヘマしないわよ……っと」

 梯子の最後の踏み板に足を乗せたとき、はふと違和感を覚えた。なんとなく、いつもとは違う軋み方をした気がする。

 は動きを止めて、足元に目線を向ける。

「……あ」

 の足を支えていた板が突然大きな音を立てて外れた。

 唐突に襲ってきた浮遊感に、の体が傾く。

 は咄嗟に目を瞑った。

「おい!!」

 レオナの焦った声が聞こえた後、の体は固い地面へと叩き付けられる衝撃――ではなく、力強い温もりに抱き留められた。

 秘密基地の中から、妖精たちがひょこりと顔を覗かせる。何事かと下の様子を窺うも、レオナの姿を認めるなり二人揃ってすぐに引っ込んでしまった。

 は激しく音を立てる心臓を胸の上から押さえながら、呼吸を落ち着かせようとする。少しして、レオナが長く大きなため息を吐いた。

「…………何か言うことは」
「ご……ごめんなさい……」

 いつもより数段低くなったレオナの声に、が体を縮こまらせて謝った。

 は今、地面に座り込んだレオナの脚の上で横抱きにされている状態である。二人の間には少し距離があったにもかかわらず、レオナは素早くの下に潜り込んで受け止めてくれたようだった。

「はぁぁぁ…………クソ、余計な体力使った」
「えへ……ありがとう、助けてくれて――あ」

 はあることに気が付き、レオナの胸元に耳を寄せた。

「レオナさん、ドキドキしてる。レオナさんもこういうときは動揺するのね――」
「……キツいお灸をお望みか? あ゛?」
「ごめんなさいっっ!!!」

 つい場を和ませようと茶化してしまっただったが、見事にレオナの逆鱗に触れてしまったようである。瞳孔が開いた鋭い目付きと、雷鳴のような重低音で唸り声とともに凄まれ、が即座に二度目の謝罪を口にした。

 レオナは気を落ち着かせるかのように大きく深呼吸してから、の顔を覗き込んでくる。

「……怪我はしてないな?」
「ん……してないわ」
「腕は?」

 レオナの指先が、の右腕の手首までを覆う袖口をめくらんと伸ばされる。は腕を引こうとしたが、それよりも早く手首を掴まれてしまう。

 の右腕には、半年ほど前に負った傷痕が残っている。傷痕といってもさほど大きくもなく、傷口が塞がったばかりの頃はまだくっきりと残っていた線状の痕も、半年も経過した今ではかなり薄くなり目立たなくなってきていた。

「治ってからもう半年も経つのよ。今さら開いたりしないわ」

 どうやらレオナは今の衝撃で傷痕に影響が無いかと案じてくれたようだが、には大げさに思えてならなかった。しかし今度こそ茶化すような真似はせず、素直に問題ない旨を伝える。

「痕が残った場所は他よりも脆くなることもある。さっき咄嗟にこっちの腕で梯子掴んでただろ」
「見えてたのね……大丈夫よ、痛めてもいないから」
「なら良い」

 肩をすくめて答えれば、信じてくれたらしいレオナがじっとを見下ろしてきた。

「…………」
「レオナさん?」

 レオナの指が、するりとの頬をなぞる。

 はレオナの視線に含まれる色がわずかに艶を増したことに気が付いた。

 は今もまだ、レオナの腕の中にいる。

 体が密着しているため、互いの顔も近い。

 はキュッと口を引き結んだ。

 レオナと付き合うまで、は恋人の一人もいたことがない。恋愛経験が無いに等しいは、レオナと付き合い始めてからも手探り状態で過ごしていた。しかし今――彼が何をしようとしているのか、に何を求めているのかを、察することができた。

 何かを求めるように、を見つめてくる美しい緑色。

 陽の光に透かされた葉を思わせるようなそれに射抜かれれば、の体は縫い止められたように動けなくなってしまう。

 の様子を窺いながら、レオナの顔がさらに近付いてくる。

 瞼がゆっくりと閉じられていき、熱を帯びた吐息がの唇を掠めた。

 しかし、

「ッ……」

 その熱を受け止める前に、の腕は目の前の男の体を突っぱねていた。

「…………」
「…………あ、あれ?」

 レオナがわずかに目を瞠り、固まっている。

 もまた、自身の行動に戸惑いを隠せなかった。

 確かに今、はレオナからキスをされると察して、もそれを受け入れるため身構えたはずなのに。

「ち、違うの、嫌とかじゃなくて、その……」

 は慌てて弁解しようとするが、レオナを拒んでしまったことは事実であり、無かったことにはできない。

「大丈夫、きっとびっくりしただけだから! ここ今度こそどうぞ!!」

 畳みかけるように言いきってから、ぎゅっと目を閉じる。もはや、ムードも何もあったものではない。もそのことには気が付いていたが、今のには自ら雰囲気を作り上げられるほどの余裕は無かった。

「…………?」

 しかしいつまで待っても、覚悟していたはずの感触はやってこない。そろりと目を開こうとしたの頭に、温かなものが触れる。思わず、びくりと肩が跳ねた。

 温もりが、静かに離れていく。

 は慌てて目を開き、レオナを見上げた。

「れ、レオナさ――」
「まだ、早かったみたいだな」

 レオナとは、すでにキスをしたことがあった。

 それも一度だけではない。

 最初は告白代わりのキス。そして二度目は、一度目の一時間後に。それは、二人が『恋人』になることを示すキスだった。

 ――二度目は、一回どころか何度か啄まれた記憶がある。はそのときの感触を思い出しかけ、全身がむず痒くなり慌てて頭を振りかぶった。

 付き合うこととなった初日にキスを済ませてしまったこともあり、レオナはもしや相当手が早いのでは、とはしばらくの間かなり身構えていた。しかしの予想に反して、レオナは今の今まで何もしてこなかった。手を繋いだり触れ合うことはあったが、それまでだ。

 先ほどの『マーキング』とやらも、レオナたち獣人属にとっては挨拶代わりのスキンシップのようなものなのだろう。その行為に、やましい感情は無いはずだ……たぶん。としてはなかなか耐え難い距離と感覚ではあったけれど。

 あぁ、でも、もしかしたら。

 はふと思い至り、レオナを見上げた。

 様々な感情や思考が入り乱れ落ち着かないとは違い、レオナの表情は凪いだ海のように静かだ。

 もしかしたらレオナは、恋愛経験どころかスキンシップにも耐性の無いの負担にならないよう、ずっと機を窺ってくれていたのかもしれない。

 それなのに、は今、レオナを拒んでしまった。

 どうしてだろう。

 レオナと一緒にいられることも、嬉しいはずなのに。

 触れられることだって、まだ恥ずかしさもあるけれど、決して嫌なわけではないのに。

 情を込められた手付きに。

 艶を帯びたレオナの視線に。

 心がざわついてしまう。

「……そろそろ戻るか」

 ついとから視線をそらしたレオナが呟く。

 そしてレオナに促されるまま、は手と腰を支えられながら立ち上がった。

 の体に触れていたレオナの手は、が自分の脚でしっかり立てていることを確認するとすぐに離れてしまう。

「れ――」
「お前、昨日は終わるのが遅くなったんだろう。涼しくなってきたとはいえまだ暑いから、あまり無理するなよ」

 レオナに声をかけようとしたの言葉を、レオナが別の話題で遮った。

 は開きかけた口をはくりとわななかせてから、そっと閉じる。

 レオナが話題を変えたということは、つまり「これ以上その話をする気は無い」ということだ。

「……今日は定時に終わらせるから、大丈夫よ」
「報告書は最終的に俺にも回ってくるんだ。ちゃんとチェックしてるからな」
「はぁい……」

 レオナの言うとおり、最近は作業に没頭してしまい定時をいくらか過ぎるまで気が付かない日も多かった。完全にお小言モードへと移ってしまったレオナの声音に、はむすりと唇を尖らせる。

 の体のことを心配してくれていることはわかる。しかしこうしての非を指摘してくるときのレオナは『恋人』ではなく、まるで『保護者』のようだ。

 『恋人』として接されたなら戸惑うくせに、『保護者』のように振る舞われたなら不満を抱く。なんともわがままで、それこそ子どものようではないか。

 の複雑な心境は表情にも出てしまったようで、レオナの手が慰めるようにの頭を撫でた。は自身の未熟さがレオナにも筒抜けであることが悔しくて、そんな悔しい気持ちを誤魔化すように、レオナの服の裾をキュッとつまんだ。

「レオナさんも、無理して倒れたりしちゃ、嫌だからね」
「わかってる」

 レオナがくつりと喉を鳴らして笑う。

 レオナは「また明日来る」と言い残すと、見送ろうとしたを制してそのまま一人で去っていった。

 ゆったりと歩いていくレオナの背中が、少しずつ小さくなっていく。はレオナの姿が完全に見えなくなるまで、その場から動くことができなかった。